第6回受賞作品

2019年4月25日


再築大賞

岡山県の東部、西大寺は日本三大奇祭のひとつ、「はだか祭り」で有名なところです。
新しい建物と古い建物が混在するこの地で、築60年の古民家に出会ったのは、昨年の冬でした。
まだまだ建物としての価値はあったのですが、建物全体に断熱材が入っておらず、底冷えするほどの寒さ。
それに加え、建物が傾いていたため、建具も襖もきちんと閉まりません。
当然土壁にも、いたるところに隙間ができ、外気が容赦なく入ってきました。長らく閉め切っていたためでしょうか、小動物の出入りの痕跡もありました。
しかし、悪い所ばかりではありません。2階にまで通された立派な欅の大黒柱や床の間の書院、2階縁側の内手すりなどには現代にない美しさがあり魅了させられました。
先人のこだわりはそのままに、耐震補強と設備を充実させ、時間をかけて魅力的な住まいへと造り替えました。

 

新民家部門

愛知県西部にある中京圏の核である政令指定都市、名古屋市の中心地にこの家は建っています。
夏は国内で一・二番を争う猛暑となり、また交通量が多い中心部です。
この環境条件を快適に過ごすための都市型住宅です。
フレキシブルに使えるリビング、3階ホール、吹き抜けは将来の可変性を配慮しています。

断熱にしっかり配慮した家だから全館空調が性能を発揮!
吹き抜け、そして仕切りの少ないワンルームデザインを快適にします。
街の汚れた空気を遮断して、「木」しかも国産材が持つ癒し効果で家中どこにいても気持ち良い呼吸が出来る、そんな家です。
この家で育まれていくご家族の毎日に幸あれ。

 

再築部門

大阪のてっぺんと呼ばれる、能勢。辺りには築100年を優に超える家がたくさんあります。
その中にある築60年程の家。またまだ新しいと言われていますが、これから長く暮らしを支えることで自他共に認められる古民家となるのではないでしょうか。
今住み継ぐからこそ、歴史はつながります。
そのつながりが、我が家の文化を紡ぎます。
その文化が、日々の暮らしに豊かさをもらたしてくれる。
その思いに共感していただけるお施主様と共に再築ができたことをとても嬉しく思います。
古き良きはそのままに、家を守って暮らしをかえる。
昔ならではの丸太梁がある空間に、最新の断熱材と設備を取り込んで、時代と技術の良いとこどりをして、今だからできる古民家での快適で豊かな暮らし。
薪ストーブ越しに見える田園風景を眺めながら、変わりゆく四季を感じつつ、
築100年に向けて、今日もまた刻々と暮らしの記憶が刻まれています。

 

被災地部門

夏目漱石の処女作『吾輩は猫である』が連載開始された1905年(明治38年)に建てられた古民家。
ご高齢のお母様がお住まいの築113年の歴史ある建物が、2016年(平成28年)4月に起きた『熊本地震』により被災。
代々住み続けてきた家だからこそ取り崩すことなく、住み続けたいという強い想いがありました。息子さん・娘さんも同じく、古民家の良さを残しつつ現代の生活に合わせた住みやすさをプラスすることで、これから先も代々住み続けられる家にして欲しいという施主様のご希望。
そんな想いを守る為に、職人達もなるべく元の素材を変えずに復旧してくれました。